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「…………崎谷と、亜子を知ってるの?」
きっと、同い年位だと思ったけど……
崎谷がタクシーのなかで、女に気づき、
「お前キャバクラ帰り?!乗ってけ!乗ってけ!」と、
中に誘い込む。
「キャバクラ……。『hana_no』にいる娘?」
「そう、崎谷君にも、亜子にも再会しちゃった」
…………何て、名前の子だろ?
「…………亜子の友達なら乗ってく?俺はK町で降りるけど」
「じゃ、お願い」
亜子の友達だという女は、遠慮することもなく、
崎谷と俺の間に座って、酒の匂いと香水の匂いで夜の空気を更に強くする。
「店は帰り送ってくれないのかよ?」
あんなところでタクシー待ちしていたら、危ないに決まってる。
「私が断ってるの」
…………さっきの態度といい、
ちょっと、気むずかしいタイプの子かな?
顔は可愛いのに、陰気さが漂う。
水商売なんか向いてないのかもしれない。
「ね、あなたは、亜子の彼氏なの?」
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