yuuki-2

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准看護婦のその子は、 浦さんがパジャマを脱いで、上半身を露にすると、 その腕から肩、 背中の悪趣味なタトゥーに顔色を変えた。 「………………い、入れ墨って拭いていいんですか?」 「当たり前だろ?塗ってるわけじゃねーんだから!」 「す、スミマセン」 …………そりゃ、怖いわよね。 私は浦さんの新しい包帯等を準備しながら、 新人の子のことが、ちょっと気の毒になる。 「そんな吹き方じゃ、全然気持ちよくねーんだよ!もっとゴシゴシ拭けよ!」 「スミマセン……」 「あぁ!もうっ!貸せ!俺が背中やるから、お前は下半身拭けよ!」 「え」 さすがに手が止まったその子は、 私に助けを求める視線を送る。 「……浦さん、看護師が拭くのは、上半身と、膝から下です。」 私は、 後輩から、タオルを受け取り、交代するつもりで新しい熱いタオルをケースから取り出して、 その口うるさい男に近づいた。 …………だけど 「それじゃ、キレイになんねーだろうが?!それともなにか?! 男の下半身は汚いからできないのか? ちがうか! 逆にムラムラ興奮して仕事になんねーから、そこは省いた仕事しかしねーのかっ?! そうだろ、おばさん!」 相変わらず、女をばかにしたような目で なおかつセクハラに近い発言をするから、私もイラついてしまい、 「あなた程度の男性には、欲情しません!」 と、 看護師らしからぬ発言をしてしまった。 「…………なに……」 浦の、顔がみるみる赤く、険しくなっていく。 「……てめ、退院したら覚えてろよ」 「………………あなたみたいに好き勝手にしていたら、いつまでも退院できないわよ」 こんな人は、 苦しまない程度に軟禁されていた方が、 世の中の為なのかもしれない、 「あ、先輩まってください!」 「こらっ!まだ、終わってねーだろーが?!」 「時間が、決まってます!」 またまた、 看護師失格の思いを抱きながら、 その病室を出た。
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