最大の敵

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現役女子高生の登場で、 崎谷のテンションが一気に上がる。 「こんにちは!佳苗ちゃんだっけ? ほら、まだ、肉も野菜も沢山あるからおいで!」 前田さんも、初めて見る小林くんの愛娘を ニコニコと呼び寄せる。 「ちわ」 由美の息子、広人くんは、 先ほどまでの酔っぱらいぶりは嘘みたいにシャキンとなって、席を空けていた。 「こんにちは」 だれ? そんな顔をして広人くんを見つめる佳苗ちゃん。 「広人は、俺の友達の息子、18歳、 いい男だろ?」 小林くんは、広人くんの肩を抱いて佳苗ちゃんに紹介している。 「広人、早馬の身長追い越しちゃったね」 「うん、直也もひょろっとしていたからね」 こうやってみると、 広人が、 直也に見える。 ううん、 祐紀さんに見えるのは、私だけなのかな? 「佳苗ちゃんて、彼氏いんの?モテるだろ?」 崎谷の質問に、 「いません。 理想の人に会えなくて」 意外にはっきりとした返事をする佳苗ちゃん。 肉好きなところはお父さん譲りだね。 箸の動きが止まらない。 「佳苗ちゃんて、どんな男子が好きなの?嵐で例えたら誰?」 そんな、狭い視野の質問をしたのは由美だった。 相変わらず恋人の腕に腕を絡ませたままだ。 「ジャニーズとか興味ありません」 「………そぉなんだ?韓国アーティストとか?」 「いえ、 私の理想は、 お父さんだから」 皆の前で、堂々のファザコンっぷり。 みんな、突っ込めなくて無言となる。
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