最大の敵

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「私の理想は、お父さんだから」 佳苗ちゃんは、恥ずかしげもなく、もちろんあくびれもなく、 「…………そ、」 「………なにか?」 「そりゃそーだろな」 初めてのタイプに、鋭くつっこめない元ヤンキーたち。 「佳苗、言ってること間違っちゃあいないけど…」 小林君が、やっと照れた口を開き、 「分かるような気がする」 と、小林くん信者の広人くんが相づちを打つ。 「何、この場」 崎谷は 「どんなしつけしたんだよ」 と、小林くんをつつき 我が息子の青翔くんに 「気持ち悪いですね」 と話しかけて、膝にのせていた。 「大島……さん」 食べ終わった佳苗ちゃんが、皿を片付ける私に話し掛けてきた。 「今、お父さんって、彼女いるのですか?」
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