最大の敵

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「佳苗ちゃん、S女子の寮だよね?送るよ」 外の空気が冷えてきた頃、バーベキューもお開きとなる。 蚊に刺されて、機嫌が悪い青翔くんの手を引き、前田さんが、佳苗ちゃんに声をかける。 「え?お、お父さんは?」 小林くんの方を見る佳苗ちゃん。 「早馬は、もう出来上がってるから どっか泊まってから戻るんだろ?」 ニヤニヤする崎谷。 「おう、だから、佳苗、この怖いおばちゃん達に送ってもらえ、近くだから。」 「………………はぁい」 残った由美親子と、 私と小林くんを、何回も振り返って、乗車するパパ大好きっこ。 「広人、タイプでしょ?」 由美に冷やかされながらも、 「…………まあまぁね」 否定しない広人くん。 若者たちの恋愛が始まる時って、ワクワクしてしまう。 昔を思い出すからかな? 「じゃ、亜子 送ってって」
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