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由美の実家からの帰路。
「佳苗ちゃん、小林くんのこと、ほんとに好きなん……」
運転中、助手席の小林君がウトウトしてるのに気づき、慌てて声を飲み込んだ。
『珍しく沢山飲んでたもんね』
国道を走り続けて、
″ さて、小林くんは、どこに泊まるんだろ?長崎には、私の家から一緒に行ったけれど……″
ちゃんと聞けないうちに睡魔に負けてしまった小林くんを横目に、
最寄りのコンビニへ車を止める。
エンジンをかけたまま、車を降りようとした私。
「なんか、買うの?」
その私の手を、小林君がつかんで
その、奥ばった瞳をパチリと開けていた。
「起きてたの?」
「今起きた。俺も行く」
「……そう?」
二人コンビニに入り、それぞれ欲しいものを手に取る。
目立つ小林くんを、主婦らしき女性がチラチラ見ていた。
昔から、見た目だけでも注目されるのは変わらないのね。
「何買ってんの?」
小林くんは、買い物かごに、
髭そりや下着類、歯ブラシをぽいっと入れている。
「亜子ん家へのお泊まりセット。
てか、もうずっと置いときたいんだけどな。色々」
「え」
それって
「亜子、一緒に住もうよ」
同棲開始申請___?
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