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「小林くん……
やっぱり、ロマンチストだね」
タバコを吸う小林くんは、
昔と変わらない、あどけないハニカミ笑顔を見せながら
私の頭を撫でた。
「男は夢見ながらじゃないと、でっかくなれないよ」
中学のときは、
小林くんの将来がとても心配だった。
ヤンキーで、勉強は全然してなくて
内申書も多分ひどかったから。
「そうだね、型にはまってしまったら、そこから抜け出さないと
予想は理想には近づかないよね」
小林くんは、
きっと、
涙もろいけど
一番、強い人なのかもしれない。
「難しいこというなよ
俺、頭はわりぃんだからさ」
私の頭を撫でる、その手は大きくて
温かい。
「話変わるけど、
明日の朝食、メロンパンだから」
「やっぱり、そうなんだ?
有田なら、呉豆腐出してくれよ」
だけど、
その温かさを独り占めにするには、
もう少し
時間、かかりそうだね。
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