25人が本棚に入れています
本棚に追加
小林君が、佐賀に足を運んでくれるようになって、半年程経った頃、
崎谷夫妻が私の職場近くまで訪れた。
「早馬が、亜子とのこと嬉しそうに話すからさ!どうしても会いたくなっちゃって」
崎谷の親戚の法事が、こちらであったらしく
青翔君も一緒だった。
「………小林君には心配ばかりかけちゃって。
青翔くん、おっきくなったね」
祐紀さんが
亡くなった年に生まれた男の子。
「俺らだって、心配してたんだぞ?
それなりにさ」
崎谷は、病院のロビーで、
若くて可愛い妊婦さんを目でおっていた。
相変わらずの女好きっぷりに、
呆れを通り越して尊敬すらしてしまいそうだ。
「由美と、広人君は元気?」
今から、夜勤に入る私、
話したい事はあるけれど、余り時間がなかった。
「元気だよ!広人くん、すっかりもう″男 ″でさぁ、直也と祐紀さん譲りのシャープな顔立ちで、益々 モテ男になってるらしいよ」
「………そっかあ」
『祐紀おじさんを、よろしくお願いします』
そんな風に言ってくれた男の子。
もう、18歳くらいになったのかな?
時が経つのは早い。
私と小林君たちが仲良くなった15歳の年齢を、
そ
の子供がとっくに通り越して大人になっている。
「早馬と、
結婚したら?」
最初のコメントを投稿しよう!