最大の敵

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「俺の娘は、元嫁と暮らしてたから」 小林君は、その辺は余り話さない人。 やはり、離婚って、人生において大きな影を落としてしまうんだよね。 「だけど、長崎の高校に受かって、こっちに住んでるんだろ?」 崎谷が小林くんの肩を抱き、 「日曜日だし、呼べよ」 その一言で、 「なに隠してるんだよ?」「すんごいヤンキーとか?」「ホントは血の繋がらない禁断の恋真っ最中とか」 みんなが詰め寄るから、 「わかったよ!ッせェな!酔っぱらいども」 小林くんは、 少し離れて、 庭の隅っこから電話をかけ始めた。 「佳苗?今、なにしてる?」 聞いたことのある名前。 小林くんは、寮生活をしている娘に電話をかけていた。
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