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「………前、小林くんち、行ったことあるね」
由美の実家を出て、懐かしい道を運転する。
「そうだっけ?」
助手席で眠たそうな小林くんは、やはりお酒がまわってしまったようだ。
「中学のとき。もう、覚えてないかぁ」
「…………あったような、なかったような」
車を出してから、始めに聞いたように、
住宅街を抜けた やや、山手のバス停のところに、
可愛い女の子が一人立っていた。
「もしかして、あのこ?」
うとうとする小林君を左手で揺らして、清楚な、可愛らしい女の子が、彼の娘なのか確認させる。
「………おー、そうだ、佳苗だ」
すごく可愛い女の子だった。
凛とした端正な彫りの深さは、小林君に似ているようだ。
私が車をバス停に横付けすると、
その美少女は、とても険しい顔を浮かべている。
「………だれ?」
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