青の階段

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「痛いのは首だけ?」 お父さんは、助手席の私の擦りむいた膝や肘にも目をやり、 「女の子の親って損だな、心配事がつきない」 とても、悔しそうな顔をした。 今思い出しても、 昨夜の恐怖は、 きっと、一生忘れないかもしれない、 ……そう思うほど強烈で、 だからこそ、広人くん親子や、大島さんへの感謝の気持ちは計り知れなく…… 「お父さん……」 「ん?」 だからというわけじゃないけれど、 同じキズを持つであろう、あの人の強さに惹かれるのも事実で 「病院にいったら、大島さんに会わせて」 私は、 それを受け止めるお父さんにも、 「あいつ、昼間仕事だぞ」 そして、 今度こそ 「大島さんの働く病院でもいいよ、ちょっとだけ」 大島さんにも、女として 幸せになってほしいと思ったの。
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