第1話

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『グギャァァアァァァァアァァァア!!!!!』 およそ人間の言語ではない音の方を振り向くと、緑色の巨体が現れた。 「……嘘。ゴブリン?それにしては、規格外の大きさなんだけど!?」 醜い顔にオレンジ色の髪、ギョロギョロと辺りを見回す黄色い目。 見た目はその辺りで見かける、ずる賢いゴブリンである。 ただし、その大きさを除いては。 通常のゴブリンは、120cm前後と人間の子供ぐらいである。 そのボスであっても、160cm前後である。 しかし、今2人の前に立ちはだかるゴブリンは、薄暗い森の木々より大きかった。 10mはあるだろうか。 「次に敵が出てきたら戦うとは言ったけど……。」 これは無理だろ、とポカーンとしているアイとルークをゴブリンは見下ろしてきた。 「マジかよ……。」 ゴブリンは大きな足を上げ、アイとルーク目掛けて下ろした。
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