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ドォォン……。
大きな地響きに驚いた動物達は、我先にとゴブリンから遠ざかった。
地響きが起こる程の巨体に踏まれたら、普通はぺちゃんこで即死ある。
そう、普通なら。
ゴブリンは、自分の足が地面にきちんと付いていない事に気が付いた。
「おっ…………もいのよ。一刻も早く、どけぇぇえぇぇぇえええ!!!!!」
アイはゴブリンの足を投げ飛ばし、尻もちをつかせた。
恐るべき、火事場の馬鹿力?
彼女の場合は、それと少し違う。
アイの髪は、いつもの飾り気のない茶色混じりの黒から、艶のある薄紅色に変わった。
「アイ、大丈夫か?」
「うん。ルーク、援護頼んでいい?」
「……ああ。無理はするなよ。」
ゴブリンを睨みつけながら、アイは腰に携えていた剣を抜いた。
アイの髪の色のように、鮮やかな薄紅色の剣である。
ルークも本を開いて準備する。
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