第1話

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ドォォン……。 大きな地響きに驚いた動物達は、我先にとゴブリンから遠ざかった。 地響きが起こる程の巨体に踏まれたら、普通はぺちゃんこで即死ある。 そう、普通なら。 ゴブリンは、自分の足が地面にきちんと付いていない事に気が付いた。 「おっ…………もいのよ。一刻も早く、どけぇぇえぇぇぇえええ!!!!!」 アイはゴブリンの足を投げ飛ばし、尻もちをつかせた。 恐るべき、火事場の馬鹿力? 彼女の場合は、それと少し違う。 アイの髪は、いつもの飾り気のない茶色混じりの黒から、艶のある薄紅色に変わった。 「アイ、大丈夫か?」 「うん。ルーク、援護頼んでいい?」 「……ああ。無理はするなよ。」 ゴブリンを睨みつけながら、アイは腰に携えていた剣を抜いた。 アイの髪の色のように、鮮やかな薄紅色の剣である。 ルークも本を開いて準備する。
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