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「ルークがゴブリン倒したの?」
抱きつきながら、アイはルークに尋ねた。
ルークが黙っていると、アイは不思議そうな顔をした。
「ゴブリン逃げたの?」
「あぁ。ほら、あいつらいたずら好きだろ?あのでかいのも、いたずらしようとしてたから、炎の魔法で脅かしたら逃げて行ったよ。」
そっか、と安心したようにアイはルークの胸に顔を埋める。
アイは不安になると、決まってルークに抱きつく。
そして安心すると、ルークの胸に顔を埋めるのだ。
初めて抱きつかれた時は慌てふためいていたルークも、何年もの付き合いなので慣れた物である。
頭を撫でてやると、アイは顔を上げてにっこり笑った。
その笑顔を見て、ルークも笑顔になる。
(この笑顔を、俺は守らなければならない。)
改めて決意を固めたルークと、そんな事はつゆ知らず、ルークの手を引き村へ帰るアイ。
2人は自分達が暮らす小さな村へと向かった。
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