第1話

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「ルークがゴブリン倒したの?」 抱きつきながら、アイはルークに尋ねた。 ルークが黙っていると、アイは不思議そうな顔をした。 「ゴブリン逃げたの?」 「あぁ。ほら、あいつらいたずら好きだろ?あのでかいのも、いたずらしようとしてたから、炎の魔法で脅かしたら逃げて行ったよ。」 そっか、と安心したようにアイはルークの胸に顔を埋める。 アイは不安になると、決まってルークに抱きつく。 そして安心すると、ルークの胸に顔を埋めるのだ。 初めて抱きつかれた時は慌てふためいていたルークも、何年もの付き合いなので慣れた物である。 頭を撫でてやると、アイは顔を上げてにっこり笑った。 その笑顔を見て、ルークも笑顔になる。 (この笑顔を、俺は守らなければならない。) 改めて決意を固めたルークと、そんな事はつゆ知らず、ルークの手を引き村へ帰るアイ。 2人は自分達が暮らす小さな村へと向かった。
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