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木村翔太は鋭い目で周りを威嚇した。彼の手にはナイフが握られている。
彼は腕を大きく振り、手にしていたナイフが宙を舞う。近くにいたショートカットの少女の頭部に突き刺さる。少女は悲鳴とうめき声をもらしながら、その場に仰向けに倒れ込んだ。
「明菜、しっかりして」
倒れた少女の友人の中山美衣加が少女の腕をつかむ。
だが、もう倒れた少女、出田明菜は絶命したのか身動き一つしない。
木村翔太は奇声をあげると、出田明菜のほうにかけていき、ささっていたナイフをあっという間に抜き去る。
「中山、下がれ」
そう誰かが叫んだが、中山の視線は少年の動きをただ目で追うだけだった。
彼女の体が後方に倒れる。その彼女の肩にはナイフが刺さっていたのだ。
木村は中山にのしかかると、ナイフを抜き、今度は腹部を突き刺した。
少女の近くにいたクラスメイトたちはざっと彼女から離れる。
何でこんなことになったんだ。
俺は唇を噛んだ。
教室には血の匂いが充満し、クラスメイトが叫び声を残し、幾人か、外に飛び出していった。
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