いざ、尋常に入籍

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ ──月曜日。 息もつけなくなるほどの 満員電車に揺られて、 駅に着いた。 押し出されるように ホームに吐き出され、 人の流れに身を任せつつ しっかりと自分の足で歩き出す。 その瞬間、 吹き飛んでいた自分の意識が 急に身体の中に戻ってきた。 私のバッグの中には、 婚姻届がしまわれている。 昨日、私の両親の前で 天川さんと一緒に書いたものだ。 これを今夜、 お互いの仕事が終わってから 役所に提出しに行くことになっている。 うちの課長や部長にも、 週末のうちに報告済みだ。 天川さんが次々に 必要な手続き的なものを 並べてくれるので、 はいはいとすべてに了承し、 驚くほどスムーズにことが運んだ。 .
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