いざ、尋常に入籍

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  「話してませんでしたが、 俺の父親は“オンブル”チェーンの 経営者なんです」 「え」 「なので、ここを任されてるんですよ」 「……え、て、天川さん、 店長さんだったの?」 「はい」 にこり、と天川さんは微笑む。 ……そういえば、 そんなこと気にしたことなかった。 天川さんはあまりに自然に お店のフロアを行き来しているから、 てっきり 普通の店員さんだとばかり……。 「給仕に手を出しているのは、 俺自身の趣味で。 お客様の顔を見ながら 世話を焼くのが、 とても合ってるんです。 ……まあ、いずれは 中の経営に連れ戻されるんですが」 .
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