いざ、尋常に入籍

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  天川さんはふと笑うのをやめた。 大好きな紅茶と同じ 琥珀の瞳が、 真っすぐに私を見る。 その奥にどんな思惑が 潜んでいるのか、 私には見えない。 「──すみれさんのこと、 好きだからですよ。 前から、ずっと」 こともなげに、彼はそう口にした。 ……え。 じゃあ、 どうして離婚を前提に、なんて。 何が何だか、 今日の私には 理解できそうになかった。 .
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