√3の事情

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 自分の指先がキーボードを カタカタ打つ音が やけに耳について、 はっと顔を上げる。 仕事に没頭していて 気付かなかったけど、 いつのまにか お昼に差し掛かっていた。 PCの隅に表示されている デジタル時計ではなく、 フロアの壁にかかっている アナログ時計を見上げて 思わず溜め息をつく。 席を立つ時に 周囲の同僚が一応 声をかけてくれことを なんとなく思い出しながら、 どれだけ集中してたのかと 小さく笑いが漏れた。 「やっと我に返った?」 「うん」 ──何も考えずに 快い返事をしてしまってから、 その声が誰のものだったかを 思い出して さっと血の気が引く。 .
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