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自分の指先がキーボードを
カタカタ打つ音が
やけに耳について、
はっと顔を上げる。
仕事に没頭していて
気付かなかったけど、
いつのまにか
お昼に差し掛かっていた。
PCの隅に表示されている
デジタル時計ではなく、
フロアの壁にかかっている
アナログ時計を見上げて
思わず溜め息をつく。
席を立つ時に
周囲の同僚が一応
声をかけてくれことを
なんとなく思い出しながら、
どれだけ集中してたのかと
小さく笑いが漏れた。
「やっと我に返った?」
「うん」
──何も考えずに
快い返事をしてしまってから、
その声が誰のものだったかを
思い出して
さっと血の気が引く。
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