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慌てて立ち上がり振り返る。
椅子の背もたれを跨ぎ、
そこに前傾姿勢で
もたれるようにして
韮沢が座っていた。
そんなところで
ずっと待ってたのか。
韮沢の表情は
幾分疲れているように見える。
そんなことが
判ってしまう程度には、
私達はまだどこか近しい存在らしい。
はたと見渡すと、
フロアには私と韮沢以外
誰もいない。
辛うじて廊下に
他の人の気配はするけど、
その話し声までは聞こえなかった。
ごくりと、息を呑む。
「……なあ、結婚て何」
「え……?」
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