√3の事情

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  「なに、俺、 二股かけられてたの? 結婚しようなんて 考えてる男がいたくせに、 俺とも付き合ってたって、 そういうこと?」 「……何、 ばかなこと言ってるの?」 驚くほど、呆れてしまった。 私が実際にそういう女で、 韮沢を弄んでいたなら、 こんなことを言われても 仕方ないと思う。 だけど浮気して、 堂々と私にそれを告白して、 別れようと元気に 言い放ったのは 韮沢の方じゃなかったか。 「おかしくない? お前、俺のこと けっこう好きだったよな?」 「呆れてものが言えないんだけど」 「言ってるじゃん」 「人の揚げ足取って、 楽しい? 自分のしたこと考えてから、 出直してくれる?」 .
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