√3の事情

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  ──とはいえ 葵くんと籍を入れた今、 韮沢と話すことなんて 何もないけど。 「だって俺、 正直に話したよな。 お前を好きだってことも、 それでもあっちを選ぶってことも」 「それがそもそも おかしいって言ってるんでしょ。 韮沢、言ってることも やってることも変だよ」 「言ってることと やってることがおかしいのは、 お前もじゃないか。 なんだよ天川って。 どこの誰だよ」 語気を強めながら、 韮沢は手を伸ばして私の腕を掴んだ。 「やめて、放してよ。 誰かに見られたらどうすんの」 「さっき課長が出てった。 みんな昼休憩に出て、 しばらく戻ってこない」 .
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