承認すべき既成事実

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 会社勤めを始めてから 住んでいるマンションに着き、 どこで葵くんを見送れば いいんだろうと考えていると、 彼の方が私の手を握ったまま ずんずん足を進めていった。 いつも物静かで 控えめな印象しかなかった彼の、 意外な一面。 私はそれをいやだとは思わなかった。 葵くんの物言わぬ強引さは、 正直心地がいい。 だけど韮沢とのことがなかったら 知らなかったことには 違いないから、 それを思うととても複雑だ。 エレベーターに乗り込みながら、 葵くんに促されて 階数のボタンを自分で押した。 .
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