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「お前、ばかか。
俺は生身の男だぞ。
菩薩相手に勃つかよ。
それにまだ好きなんだから
しょうがないだろ!」
「……!」
近付く韮沢を
押し返そうとしていた手を、
うっかり掴まれた。
ぞわ、と嫌悪感が走る
自分の身体の反応で、確信する。
どう白黒つけようと、
私が韮沢に対して
甘い気持ちになることは二度とない。
「放してよ」
「いやだ」
「放してったら。
……もう正直、気持ちが悪いの。
触らないで」
「……わ、お前、きっつい女だな」
「誰のせいでこんなに怒ってると……」
「俺のせいだろ」
「そうだけど、
都合のいい解釈しないで。
無理。ほんと無理」
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