恋は略奪品

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 声にしない願いが 届いたのか何なのか、 韮沢は昨日のように しつこく話しかけてくることは なかった。 ──というか、 彼は彼で営業に駆り出されて てんてこ舞いだったみたいで、 私どころではなかったんだろう、 というのが正しい。 今日忙しくなることが判っていたから 昨夜訪ねてきたのかな…… なんてぼんやり思ったけど。 今日は急遽決まった お引っ越し作業があるし、 韮沢のことばかり 考えてもいられない。 心はまだまだざわつくけど、 気分を切り替えなくちゃ……と 思い直そうとしている自分に 少し驚いた。 韮沢に振られた日は あんなに悔しくて悲しくて 泣いたのに。 ……葵くんがいるからだ。 .
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