恋は略奪品

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  走ってきたせいで暑いのか、 葵くんは襟元を気にしながら 中央階段に目をやった。 業者さんが来るのが、19時。 今は18時半過ぎ。 確かにもう電車では 厳しいかも知れない。 「うん、判った。 葵くん、行こう」 昨夜の反省を踏まえて 葵くんの提案に従うと、 彼はふわっと嬉しそうに小さく笑った。 ……なんか、 仔犬みたいで可愛いとか、 失礼かな。 私はわんちゃん、 大好きなんだけど。 .
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