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だめだ。
なんか本当にこの結婚、
長く続かない気がする。
彼が頃合いを見て
離婚を切り出してくる前に、
私の方が先に
音を上げてしまいそうだ。
離婚を前提に、
なんて言葉に頷くんじゃなかった。
与えられた部屋に
逃げるように飛び込んで、
ドアを閉める。
そのままベッドに
ばたんと倒れ込んだ。
ふかふかのベッドが
やんわり身体を押し上げてきて、
なんかよけい虚しくなってくる。
……泣きたい。
あの時は、なんの関係もない
葵くんにそんなふうに
甘えることができたのに。
あれからいくらも
時間は経ってないのに、
同じことを言えないでいる。
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