第1章

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『確かにここに存在したもの』 もがけばもがくほど深みに嵌まっていく 底無し沼に捕らわれたみたいだ 苦しくてのたうちまわる 悪足掻きを繰り返し 必死で掴んだものは、藁でさえあらず 確かに形を成していたのに、 ずるずるずるとこぼれ堕ちていく 僅かな隙間から ひとつ残らず その正体は何だったのか 知るすべもなく
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