プロローグのためのエピローグ

2/4
前へ
/54ページ
次へ
「ういっす、山本。」 「うーっす、今日は早いな中田。」 「この天気だからな。一応早めに来たんだよ一応ね。」 そう言い荷物を机に下ろす。 雨に濡れた傘を傘立てに投げ捨て、タオルでカバンを拭く。 「しっかし、今日は酷い雨だなー。 昨日の天気予報じゃ20%とか言ってた気がするんだけどねぇ。」 田中が外を見てボヤく。 たしかに休校にならなかったのが不思議なくらいの土砂降りだ。 「所詮天気予報だ。20%で土砂降りになったのかもしれんぞ。」 「そんなことあるか?」 「天気予報士じゃないし、知らん。」 「まあ、そうだわなー。」 ははっ、と笑いながらジュースを飲む田中。 「ふう、浸水してなくてよかった。」 カバンの水滴をひとしきり拭き取り、中身を確認する。 「山本のそれ。防水だろ?」 「ああ、まあ、一応な。 それでも中に入ってるかもしれないからさ。」 「なるほどねぇ。」 ジュースを飲み干し、空き缶を捨てに行く田中を見送り席に座る。 さて、今日の一時間目はなんだったか・・・。 「ん?今日の一時間目は数学・・・テストじゃなかったか?」 「え?」 いつの間にか田中が帰ってきてたみたいだ。 「あれ?今日があのテストだっけ?」 「今日じゃないか?」 数学のテストとは所謂小テストみたいなやつで、成績にも影響するテストだ。 ちなみに、追試もある。 「・・・・・・・・・まあいいや。なんとかなるでしょ。」 おい。 数学終了後 「・・・・・・・・・・・・・・・・。」 そこには頭を抱えて机に伏せている田中の姿が。 ・・・無茶しやがって。 仕方がないので、そっと肩を叩く。 「田中。」 「ぉぅ。君は僕を慰めてくれるのか・・・?」 「そんなことは知らんが。ざまあwwwwっと言っておこう。」 「ちくしょー・・・。」 朝の時間に少しでも勉強しない奴が悪い。 俺?数学は得意分野ですよ。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加