プロローグのためのエピローグ

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田中と別れてしばらく進み、あと一つの横断歩道を渡れば家まで手の届く距離というところ。 土砂降りでカスレ気味に見える赤信号が青信号になったので渡ろうとしたところ、向こうから見覚えのある影が見えていた。 --------その時左から来るトラックにも気がついた。否、気がついてしまった。 土砂降りだから信号に気がつかなかったのであろうか。トラックが赤信号を無視して走っていた。 「っ!?」 気がついたときには傘を投げ捨てて走り出していた。 向こうから渡ってくる影に向かって。 間に合わないか!? いや、吹き飛ばすだけならなんとか! 信号無視しているトラックに悪態をつきながら全力でダッシュする。 イヤホンをつけているようにも見える影はトラックに気が付いていないようだ。 「ちっ!」 なんとか影に追いつく。 「あ、おにっ!?」 何か言っていたが影を弾き飛ばす。 そこでやっとトラックに気がついたようで絶望的な顔をしている。 大丈夫、そこはトラックの当たる範囲外だ。 後は自分が逃げるだけ・・・。 そう考えた頃には横に飛ばされていた。 ---------ああ、晴れだったらこんな事にはならなかったんだろうな。 血に染まりながら朦朧とする意識の中聞こえたのは、妹の叫び声だけだった。
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