106人が本棚に入れています
本棚に追加
中に入ると執務室みたいな感じの部屋だった。
少し散らかっているが。
「ささ、座って座って!」
「ああ、どうも。」
ニコニコしながら対面に座る白い男性(?)。
「お茶です。どうぞー。」
「ありがとー。」
「どうも。」
紅茶を出し、白い男性の対面から少しずれた位置に座った白い女性。
つまり、俺の隣。
・・・・・・。
「えーっと、どこから話そうか。」
「じゃあ、俺の置かれてる状況を教えて欲しい。」
「あー、うんそうだね。
君、妹さんを助けたでしょ?」
妹を弾き飛ばした風景がフラッシュバックする。
あのトラックにはねられたらまず無事では済まないしな。
「うんうん。それで君が思ってるとおりただでは済まなかったのよ。
まあ、つまり死んだんだけどね。」
さらっと重要な発言。
「えー、うん。確かにあの速度のトラックにはねられて死なないのは頑丈な人だけだな。うん。」
さらっと心も読まれてたし。
「で、なんでここに俺がいるの?」
「それはねー。
この土砂降りは僕のミスで起こっちゃったものだから流石に責任を取らないわけにはいかないってわけさー。
局地的な土砂降りが直接原因で人が死ぬなんて思ってなかったんだよねー!」
「はあ・・・。」
笑いながら言う白い男性。
ため息をつく白い女性。
すごく殴りたい衝動に襲われるが、我慢。
話から察するに人の命を管理できる人(?)だ。
喧嘩を売ってそうそういいことはない。・・・はず。
「一応経緯は把握した。で、責任を取るとは?」
責任とってよね///とかそういう話?
自分で言ってて悲しいなこれ。
「あ、うん。それはね、異世界に転生させることだよー。」
俺の思考を読んだのか若干真顔になりながら喋る白い男性。
「転生フラグってのはこれのことを言うのか・・・。」
「フラグ・・・?」
「あ、いやこっちの話だ。」
フラグって旗って意味だよな、もともと。
最初のコメントを投稿しよう!