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「なるほど……、またずいぶんと厄介な事に首を突っ込んだな」
雑事堂に着いた圭たちは結斗に俊平の話と先程遭遇した猫又の話をした。ちなみに結斗はいつもと違い着物が紺色で髪止めも新しくなっていた。
「結さん、目的もだがこれは俺たちが関わっていいのか?」
「そこだよなぁ。その猫又は退魔士と戦うのは本意じゃないって言ったんだろ?ならそのままにしとくのが一番だと思うんだがな」
後頭部を掻きながら結斗は言う。その様子はめんどくさい、といった感じだ。
「でももし何か企んでいたら、それはそれで危険ですよ。私は一応確認した方がいいと思います」
「それはそうなんだけどね、廉ちゃん。でも触らぬ神に祟りなし、って言うでしょ?もし深く突っ込みすぎてとんでもない事になったら、それこそ危険だよ」
そうなんですけど、と廉が言うと不意に俊平が大きなあくびをした。廉が睨み付けると彼は悪いと言い、
「難しく考えすぎじゃねぇか?分からないなら見に行けばいいと思うが」
「あのねぇ……、何かあったら大変だから話し合ってるのよ?それに一番深く関わってるあんたがそれっておかしくない?」
「と言われてもなぁ……、俺はこれで生きてきたわけだしよ」
暢気な言葉に廉はあんたねぇ……!と苛立ちながら木刀を引き抜く。しかしそれを見ても俊平は眠そうな目を変えず、
「正義感強いなぁ、あんたは。そんなにカリカリしてるとモテないぜ?」
「うっさいわね!あんたにそんな事言われたくないわ!てかあんた、さっきと全然違うじゃないのよ!」
「あー、それな。俺変身してるとき何か自分じゃなくなるみたいな、ちょっと熱くなるんだわ」
「知らないわよそんなこと!」
2人がちぐはぐな争いをしている最中、結斗が圭に尋ねた。
「で、どうするんだ?少なくとも俺は関わらんつもりだ。他の奴らにもこの事は伝えん」
「そうか、……それなら俺たちで解決してくる」
その言葉に結斗は表情を変える。廉と俊平も彼を見た。
「下手すればお前たちの身が危険になるかもしれないんだぞ?それでもいいのか?」
「安心してくれ結さん。恐らく俺の考えている事が合っていれば、穏便に済むかもしれない」
彼はそう言い結斗を見る。しばらくして結斗ははぁとため息をつくとそっぽを向き、
「どうなっても知らんからなー。この件はお前に任せるから、必ず解決してこいよ」
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