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神様・・・どうか妹に降りかかる悲しみ や痛みは全て俺に。 妹には笑顔と幸せを与えてください。 俺はどんな罰でも受けるから・・・妹へ の邪な感情だけは奪わないで下さい。 口に出してはいけない気持ち・・・決し て誰にも知られてはいけない気持ち・・ これは恋じゃない。愛でもない。 この感情を何て呼ぼう・・ どうしてあの子なのか・・・どうして他 の誰かだとダメなのか。 美しく愛せないこの感情を抱いた俺に罪 を・・・妹しか愛せない俺に罰を・・・ どうあがいても体は妹にしか反応しない こんな俺に優しく微笑む君は何を思 う・・・このあさましい俺は君の前では 理想な兄のフリをしながら夜ごと君を夢 の中で穢す。 俺じゃない誰かと幸せになって欲しいと 願いながら本能が拒む・・・ 出来るなら俺の手で俺の力で君を笑わせ たい。 雫・・・雫・・・俺の可愛い妹。 あの日笑うことも忘れた君と出会ったの は運命なのか・・・ 両親を亡くし施設で暮らしていたのを 俺の親が引き取った。 一目見て沸き起こる・・・この感情。 体の底に芽生えた感情・・・愛しい。 「はじめまして。俺の名前は佐山霧斗。 君のお兄さんだよ。これから僕が君に 幸せを教えてあげる・・・雫。」
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