12人が本棚に入れています
本棚に追加
ロゼたちの所属するギルド『楽園の規律』(エデンコード)は、世界最大のギルドであり、各国に支部を持っているのだ。
かく言うロゼたちも、昨日まで隣国ヴァイマァール帝国の支部にいたくらいだ。
ミラのギルドマスター就任に伴う異動で、こうして本部のあるエスペラント王国にやってきた次第であるのだ。
「う、そりゃそうかもしれないけど、何も俺までついてこなくてもいいはずだろ?」
「あら、恋人を連れて行くのは当然じゃない」
「誰が恋人だ、誰が! いい加減自分の中の妄想を現実に引っ張ってくるのは止めてくれ」
「もぉー。つれないわねぇ、ロゼは」
黒いローブの少年ロゼに、冷たくされたミラは、ふてくされたように呟く。
会話を聞いただけでは、まるで女性が年下であるかのようなやり取りである。
「でも仕方ないわよね。私はロゼの本当の親じゃないものね。そんな私についてくるなんて、ロゼも嫌だったわよね」
ミラは、涙声を出しながら俯いた。すると、ロゼは、慌てて手を振る。
「いや、母さんについてきたことは別にいいんだって」
「あら、そう? じゃ細かいことは気にしない気にしない」
最初のコメントを投稿しよう!