第1章

6/7
前へ
/12ページ
次へ
「覚醒型……、そうか覚醒型か! 私としたことが失念していた。何せ覚醒型が産まれる確率は数千万分の一だと言われているからな」  ゼアトゥールは、満足げな表情を浮かべてロゼルクスを見つめ、ウンウンと頷く。  リズベッドは聞き慣れない単語に首を傾げた。 「覚醒型とは何ですか?」  リズベッドは、外界や魔法についてあまり興味がなかった。  加えて、魔力に型があるなどと学校では教えていない。  リズベッドが知らないのも無理はないのだ。  リズベッドの疑問に応えるように、ベルモンドはお辞儀をしてから口を開いた。 「魔力とは、一般的に産まれたときに誰にでも現れるものですが、その時に現れる魔力を『潜在型』と言います。 しかし、稀に生後五、六年経過してから爆発的に魔力が発現する場合があるのです。それが『覚醒型』です。 歴代の高名な魔法使いは、皆この覚醒型であったと言われております」
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加