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高校に入ったはいいものの元々面倒な事が苦手な俺は、退屈な授業にもすぐに飽きてしまい、高校1年生の春の終わりにはすっかりサボり常習犯になっていた。
サボりといっても、学校に来ないわけではなく。
俺にとっての学校は、授業にはでず、いつも適当に時間をつぶすだけの場所になっていた。
サボってはいても成績を落とさない俺に、教師も強く注意はしてこない。
それに。
元々口数が少なく、お世辞にも愛想が良いとも言えない俺は、友達と呼べるものはおろか、中学から離れたこの高校では同じ中学の人さえいなかった。
以前は吃音症だったが、それはもう克したし、今は普通に話せる。
話そうと思えば普通に話せるし、話せないわけではない。
ただ長くしゃべることが苦手であり、また、言葉もすぐにでて来ないという辺りは治っていない。
苦手なのだ。
話す、ということ自体が。
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