”千里の道も一歩から”編_陸

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  佐野はいつも自分をきちんと律して生きている人だ。 常に、彼女は人の前を歩くということを意識している。 そんな風に生きるのはもちろん理想だ。 だが、人間はそれほど強くない。 だから、まあこれくらいはいいか、と油断する。 そんな所を見た生徒は、やっぱり、とがっかりするのだろう。 『俺達に偉そうな事言ってるくせにお前はそれかよ・・・』 佐野はそれをよく理解している。 だから、人にあれこれと命令をする分、 自分にもそれ以上の枷をかけている人だった。
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