”千里の道も一歩から”編_陸

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  鏡は嬉しそうに破顔する。 「確かに、彼女は少し頭が固いが 彼女ほど、システムを学術的にきちんと理解している者は うちの会社にはいない。 俺は彼女を立派なスペシャリストだと想っている。」 私は単にその評価が正しいと思ったから、頷いた。 だが、鏡は珍しく、教師に褒められた子どものように笑った。 「良かった・・・、本当に、よかった。 彼女の素晴らしさを理解してくれる人が見つかって・・・」 そして、また珍しく、鏡はバツが悪そうに笑う。 「実はさ、彼女、前の会社で俺の指導役、だったんだよね・・・」 驚いた私に、鏡は照れ笑いする。 「もうさ、びっくりするくらいのダメ出しっ! その会社、俺の叔父が社長しててさ。 要するに、コネ入社。」 鏡があまりにあっけらかんというから 私は何も言えず、ただ聞いていた。
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