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鏡は嬉しそうに破顔する。
「確かに、彼女は少し頭が固いが
彼女ほど、システムを学術的にきちんと理解している者は
うちの会社にはいない。
俺は彼女を立派なスペシャリストだと想っている。」
私は単にその評価が正しいと思ったから、頷いた。
だが、鏡は珍しく、教師に褒められた子どものように笑った。
「良かった・・・、本当に、よかった。
彼女の素晴らしさを理解してくれる人が見つかって・・・」
そして、また珍しく、鏡はバツが悪そうに笑う。
「実はさ、彼女、前の会社で俺の指導役、だったんだよね・・・」
驚いた私に、鏡は照れ笑いする。
「もうさ、びっくりするくらいのダメ出しっ!
その会社、俺の叔父が社長しててさ。
要するに、コネ入社。」
鏡があまりにあっけらかんというから
私は何も言えず、ただ聞いていた。
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