”千里の道も一歩から”編_陸

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  「だからね、俺が何をしても、誰も何もいわねぇの。 なのにさ、あの人だけは馬鹿みたいに怒ってさ! 本当に面白かった。」 鏡は本当に可笑しそうに思い出し笑いをする。 私もクスッと笑う。 その光景が手に取るように目に浮かぶ。 子どものように笑う鏡を私は初めて見たが 改めて、好感が持てる、と感じた。 「良い方の指導を受けることができて、幸運でしたね。」 鏡はその時なぜか何も答えず、ジッと私を見つめた。 何か?、と私が問うと、にっこりと微笑んだ。 「ああ、確かに運が良かった。 もし、あの時、彼女が指導役じゃなかったら 俺は腐ってた。 ・・・だからかな、 俺はもっと彼女は認められるべきだと思ってるんだ。」
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