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ええ、と私も同意した。
「肩に力が入っていますね。
必死に自分の位置を確保しようとしているのが分かります。
学生のように分かりやすく優劣が出ないので
それが不安なのかもしれませんね。」
そうなんだろうなぁ、と鏡は頭に手を置き
椅子を撓らせ、天井を見上げる。
「力を抜けば、周りが見えて
周りが見えれば、仲間もできる。
仲間のうちに、自分の位置もできる。
競争ってのは、確かに人の向上心を刺激するが
手を繋ぐ事で、人はようやく自分の居ていい場所が分かる。
どちらか一方ではダメだし
どちらかに偏ってもうまく行かない。
吉永は戦うことでしか、自分を見出せなかった子なんだろう。
同期って、社会人にとって
数少ない、初めから許された場所なのに
彼らを拒絶することで、結局自分も見失っている。」
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