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ええ、と私は頷く。
そして、周りの研修生たちも
普段の場所ならば、許せるような小さなスタンドプレーも
自分の足元がおぼつかないせいで、許せないようだった。
皆、一人ひとり話せば、
穏やかで、冷静な判断が下せる頭のいい子達だ。
出来がいい、と手放しで思える。
だが、吉永に対する態度だけは決して軟化することはない。
そして、
吉永にスタンドプレーもどんなに暗に注意しても、変わらない。
鏡はぼんやりと続けた。
「サラリーマンって、ただの歯車だって揶揄されるじゃん。
だけど、
1つの小さな歯車がなくても、あの大きな車は動かない。
子どもは車を操るドライバーに憧れるけど
でも、実際、一番の功労者は、間違いなく小さな歯車たちだ。
大人の社会は、そんな縁の下の力持ちで成り立っていて
優劣なんて、決めれはしない。
比べることに、意味すらない。」
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