視線の先-美咲side-

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 はぁ、とため息をついて椅子に腰を下ろす。  成宮くんは多分とても動揺している。  というか、あの状況ならほとんどの人が動揺するだろう。 「……これで、成宮くんはどうなるかしら」  これでも黒崎先生と一緒に居るのだろうか。  数学準備室で“アンナコト”をしていても、多分行為自体はしていないようだ。 「……私の方が有利ね」  うん、そうだ。  黒崎先生を手に入れられる可能性はある。  その視線の先に、誰がいても……。    次の手を考えながら、私は仕事に戻った。  
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