絆創膏

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   森川先生から逃れるため、オレは保健室を飛び出した。  振り返らず、ただ走る。もっていたカバンが邪魔だった。  最後の言葉が、頭の中で何度もリピートされている。 “………黒崎先生は、上手よ。  とってもキモチよくしてくれるわ、いつも。”  なんで先生はオレが黒崎先生のことが好きだと知っているのだろうか。そこがまず怖い。  昇降口まで走り、膝に手をついて、はぁはぁと荒くなった息を整える。  なんで森川先生はあんなことをオレに言ったのだろうか。  ……そんなの決まってる。  オレを混乱させようとしてるんだ。  ……見事に術中にハマってしまったけれど。  森川先生は多分、というかほとんどの確率で黒崎先生のことが好きだ。  でないと、あんなこと……。  いや、オレを弄んでいるということも考えられる。
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