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「……どうやらあの子どもで間違いなさそうだな」
「うん……見ててこっちが泣きそうになったよ、可哀想に……」
「アイツが次期、日本の神になる男……ミモリ、シンタか?」
「え、日本の文字読めるのリズちゃん!?」
「ま、まぁ、多少なりとも勉強しているからな」
「スゴーイ!!」
「ところでユナンよ。私の名前はリズティアだ。その、リズちゃんとか勝手に呼ぶのは止めないか?」
「えー?うーん……分かったよリズちゃん」
「いや絶対分かってない」
「よーやく家に着いたー……」
学校を出発して約3時間ほど。
ついにオレは我が家との再会を果たした。
「あぁ、もう、なんでもいい。とにかく帰って横になりたい」
不幸続きの疲れが溜まり、意識が少し朦朧としていた。
最後の力を振り絞るようにオレは玄関ドアのノブを回そうとする。
ガチャガチャ
……カギが掛かっていた。
「……まさか、な」
嫌な予感がしつつも鞄の中をテンパったドラえもんのように漁る。
あれでもない。
これでもない。
「カギが……ねぇ……」
恐らく、財布と同じ場所に置いていったんだろう。
……不幸さんよ。
家にも帰らせて貰えないのか、オレは。
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