美織のお話

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家を出て最初の曲がり角。 そこが、ほしのちゃんとの毎朝の待ち合わせ場所。 「 みおるちゃん、おはよー 」 タカナシ ホシノ 高梨星乃は今朝も、ニコニコと可愛らしい笑顔で迎えてくれた。 ほしのちゃんが笑う時の小首をかしげる仕草。 その動きに、薄茶色のくるくるでふわっふわの髪が優しく揺れる。 私の真っ黒で真っ直ぐな髪とは正反対の、柔らかな質感の私の大好きな髪。 思わず私も笑顔になる。 「 ほしのちゃん、おはよー 」 どんな気分の時でも、このほしのちゃんのニコニコってした顔を見ると思わず笑顔になれちゃう、そういう感じ。 「 ほしのちゃんて、ほーんとお日様みたい 」 私がそう言うと、ほしのちゃんは何故だかちょっと笑顔を曇らせた。 ほしのちゃん・・・どうしたんだろ? 私とほしのちゃんの家はお隣同士。しかも同じ7月7日生まれで同い歳。 だけど小さな頃から会うのはいつも、こっそり。 それは吉野家と高梨家の人達はあんまり仲が良くないから・・・。 でも、仲良くしたがらないのはうちのママとパパだけで、ほしのちゃんのお家の人達はいつも私に優しいんだけどね。 だから毎朝の待ち合わせもお家の前とかじゃなくて、こうして少し離れた最初の曲がり角だったりする。
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