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クスクスと笑いあうと、今度はうんと優しい気持ちでみおるちゃんを組み敷く。
「 知りたいって言ったの・・・撤回はなしだよ? 」
そう私が言うとみおるちゃんは幸せそうに微笑んだ。
「 撤回なんてしないよぉっ 」
「 ほしのちゃんの指先はね、私だけのなの 」
「 ねぇ・・・ずっと昔からそうだよね? 」
「 はやくもっと・・・欲しいな・・・ 」
囁く声に、身体がふわりと熱をもつ。
みおるちゃんが私の指先を愛おしそうに握りしめていた。
寒い季節だっていうのに、クローゼットの中は汗ばむ程だった。
私はその中でゆっくりと瞳を閉じて、甘い香りと甘い時間に溶けてゆく。
気持良くなっちゃうのは、悪い事じゃない。
そなんふうに思えるのはきっとみおるちゃんと一緒だからだよね。
カノジョへの思いが、今やっと幸せな恋のカタチになる。
世界中のカノジョとカノジョ達もきっと私達のように、自分達は間違っているんじゃないかって悩む時もあるんだと思う。
そしてカノジョと歩む道はきっとこの先、悩みや不安がつきものになるだろう。
でもカノジョの笑顔があればそれだけで幸せになれる。
カノジョと繋いだ手は絶対に離さない。
そういう気持ちをずっと大切にしていられたらきっと大丈夫。
カノジョに恋をしたから
諦める事なんてできない、素敵なカノジョに出会えたから
私達は悩みながらきっと世界で一番幸せになれる。
誰よりも、誰よりも、きっと幸せになる。
そんな幸せなカノジョとカノジョ。
それが私達なんだ。
◆ 完 ◆
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