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── その時、ほしのちゃんが私の手をきゅっと握った。
「 みおるちゃん・・・ねぇまた一緒にみおるちゃんの好きなドーナツ食べに行こ 」
「 ゆっくりお話しできてないし・・・ね? 」
「 私、みおるちゃんが最近何にも話してくれてない気がして心配になっちゃってるんだ・・・ 」
昔はよく ゙ はんぶんこ ゙ ってして、一緒に食べたっけ。
ほしのちゃんはまだ私を、甘いお砂糖まみれのクリームドーナツが大好きな女の子だと思ってる。
だけど・・・私はもう、甘いドーナツはそんなに好きじゃ無くなってしまっていた。
「 うんそうだね。じゃぁまた後で学校でね 」
大通りでの別れ際、私はほしのちゃんに精一杯の笑顔を向けた。
結んでた手がほどけて、ほしのちゃんがほんの少し悲しそうな顔になる。
そして、それを隠すように笑顔を返してくれた。
こんなふうに、しぃちゃんに溺れてる私をほしのちゃんは軽蔑しているのかもしれない。
私はそれに気が付かないふりをして、しぃちゃんの家に向った。
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