第1章 エターナルブルーを求めて

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第1章 エターナルブルーを求めて

見渡す限りの銀世界。 吹雪のせいで視界も悪く、ただ雪化粧に包まれた木々のみが認識出来る地にて、雪の中を這いずり廻る巨大な影と鳴り響く金属音。 芋虫の様な体をくねらせ、宝石の様な強度を持つ頭部で突撃してくるモンスターを相手に、立ち向かう少年少女達の姿があった。 「ハァァァァァァ!!!」 「ギョエー!!!」 右手に長剣と左手にショートソードを持つ黒髪ロングヘアの少女は、多重に残像を残すほどのスピードで、モンスターを翻弄し徐々に斬りつけている。 「優真!」 その背後から赤十字の飾りがついたベレー帽を被ったショートヘアの少女が飛び出し、光り輝く拳で、モンスターの頭部に殴りつけ、頭部にヒビの様な傷をつける。 「裂光拳!!!」 「ギャオー!!」 「グズ……… サタン!行きなさい!!」 「グズって… まぁいい!! たぁぁぁ!!!」 赤い髪を靡かせ、金色の瞳の少年は、木の枝から飛び降り、自分より大きな三日月刀を優真がつけた頭部の傷につきたてると、モンスターは、激しい音と奇声をあげ崩、雪の結晶なり消え、掌サイズの核だけとなっていた。 「留奈お姉ちゃんと私の勝利だねっ!」 「ん?三人の勝利だろ?」 「スノーワームごときで浮かれる我ではないゆえに気にしなくていいよ。 留奈姉ちゃん」 「生意気………。」 「くっ……。 優真姉ちゃんは、いつもいつも我にくってかかるな!」 赤い髪の少年と短髪の少女は仲があまり良くない様にも見える。 だが、それも一つの友情と長髪の少女は思う。
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