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この三人は、ログフォースと呼ばれるギルドを離れ、魔王ベルゼブブ討伐の旅の途中、昔、ロシアと呼ばれていた土地に来ていた。
「プッハハハっ!
優真、サタン。
仲がいいのはわかってるから、食事にしよう。」
この長髪の少女こそ、魔王ベルブブを一度は封印した英雄の血を引き、幼い頃は、死神の少女と呼ばれていた少女。
神崎留奈である。
彼女は、同盟ギルド真戦組の沖田総司との出会いや氷の封印から解き放たれた英雄の一人である父、本城弥との暮らしの中で、彼女の死神と化していた心は、ほぼ改善し、皆を先導できるほど活発で明るい女の子となっていた。
そして……
「ちょっと!留奈お姉ちゃん!!
誰と誰が仲良いんです!?」
留奈に、切なそうな表情で抱きつこうとする短髪の少女の名は、戸塚優真。
幼少期を留奈と共に過ごし、共に力を合わせ、強欲の悪魔と戦った留奈にとって、心強い仲間であり、義理の妹の様な存在。
だが、優真には姉妹以上の不思議な感情が芽生えていた。
「わーん。お姉ちゃんの馬鹿ぁ……。」
ぎゅーっと抱き作くと見せかけ、胸に顔を埋めてくる姿は、傷ついて泣きつく少女とはほど遠く、明らかに至福に満ちた表情をしている。
「……優真。
どさくさにまぎれてまたぁー。」
「えへへっ。ばれちゃいました?」
「…………。
他所でやってくれ」
と、恥じらいのない二人に、初心にも背を向ける赤髪の少年の名はサタン。
人では無く、人が悪魔と称する存在であり、ダークロードの息子にして、魔界の一国、ダークロード領の王子だ。
この物語は、魔王ベルゼブブを倒し、世界にエターナルブル-を取り戻そうと立ち上がった勇者達の物語である。
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