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「サタン。
なら、貴女が去ればぁー。」
と、怪訝な表情で舌を出し挑発する優真。
ムカついたサタンは、舌打ちをすると円月刀ルナティックハザードを抜き構えるとニヤリと笑い言った。
「ふん!
優真姉ちゃん。知ってたかい?
逆性質の力を注ぐと爆発するのは、何も魔力だけじゃないんだぜ。」
「へぇー。やろうってーの?」
「望むところよ。」
優真とサタンは、魔力や気功を発動させると、瞳が金色に変わると言う共通点がある分、同族嫌悪を感じてしまう様で、良く喧嘩をしては、留奈に止められる。
この様な事態も日常茶飯事だ。
「まて。二人とも。
やめようか。」
留奈はいつもの様に、腰にぶら下げている2刀を抜き、二人の間に割って入るも、この日だけは違った。
いつもなら、ここで引く二人だが今日は特に苛立っている様で、
「留奈お姉ちゃん。
そこどいてよ。そいつ消せないから。」
「売られた喧嘩は買わないと、男がすたる。
どいてくれ。」
と、全く引く様子が無い。
理由は、双方別にあるのだろうが、1番の理由は、
〝ふっ!我がトドメを刺しただけで満足する訳がないだろ?〟
〝よくもお姉ちゃんとのスキンシップを邪魔してくれたわね!
爆散させてあげる。〟
と言う個人的私欲だ。
〝相手に不足なし!!〟
〝相手に不足はないわ!!〟
そんな2人に呆れた様子で留奈は、腕を交差し双剣に魔力を込める。
留奈には神速剣技のほかに、氷を操る能力いわゆる魔法とよばられる能力を
持っている。
それは、父から受け継いだ能力であり、神速剣術は母の忘れ形見とも言える能力だ。
それを、自由自在に操り、いまではどんな状況でも手加減ができるレベルにまで
昇華している。
「んー。
じゃあ、2人ともお仕置きだな。」
「ちょっ!?嘘だよね!!?」
「るっ!!留奈お姉ちゃん!?」
留奈を怒らせてしまったと思った2人は、恐怖のあまり腰を抜かし、哀願している。
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